始まりました。カネショーです。
今回の記事は、2021年に二度目の卒業論文提出で無事合格し卒業が決まったイギリス大学院留学経験者が語る
「イギリス大学院って卒業するのはどれくらい難しいの?」についての記事です。
と何かと疑問に思う方は多いと思います。
元々帰国子女で英語が話せる人ならともかく、大人になってから始めて留学する人が多数派であると思います。
従って、どれくらいの英語力が必要かや授業のレベル感を把握できないと進学を決意できない人が多いと思います。
私も25歳を過ぎてから始めて海外留学を始めてみた経歴です。皆さんのこういった悩みが痛いほど分かります。
今回の私の実体験が混ざった記事を読むと
英語力はどれくらい必要?IELTSで高得点を取れば十分?
結論から言いますと、日本でいくら英語力を仕上げ、IELTSで7点以上を取得したとしても現地でネイテイブに混ざって会話に入っていくのはかなり厳しいです。
スピーキングはもちろんの事、他の3技能(リスニング、ライティング、リーディング)でも苦戦します。
リスニング
▶日常生活(駅、スーパーでの定員との会話、ホストファミリーとの意思疎通)などでは効力を発揮しますが、大学内でのアカデミックな内容を聞き取るのは最初は苦労します。
ライティング
▶IELTSレベルのライティングで高得点を取っても、現地のエッセイ課題や卒業論文の書き方や語彙はレベルが違うので苦労します
これに関しては、1学期にレベル感の違いに驚くものの、留学中になれていくので過度の心配は要りません。
リーディング
▶唯一日本人留学生がアドバンテージがある技能といったイメージです
とはいえ、専攻する学科によっては今まで見たこともない専門用語や理論が出てくるのでIELTSの試験対策が終わったあとも気を引きしめ専門分野の論文を読むなどの予習が必須
これは私が帰国子女ではなく25歳を過ぎてからイギリス留学デビューした経験から断言できることです。
私は5ヶ月ほどロンドンで語学留学をしてからロンドン大学院に入学しましたが、語学留学とも違うネイティブのハイペースで聞き取りにくい英語に圧倒されました。
IELTSで7点をなんとか取得し、大英博物館の隣にあるバークベック・カレッジに入学を決めてから「まあなんとかなるだろう」と思っていた自分が今思うと懐かしいです。
イギリスの大学院はアメリカ人の学生も多く、旧イギリス植民地の国から国費で留学してくる学生も多いので、周りの英語のレベルの高さに驚きます。
大学院の1学期は授業以外の日業生活ではなんとか周りの方々とコミュニケーションは取れたものの、毎回の授業の後半45分で実施されるディスカッションやプレゼンテーションが苦痛でした。
プレゼンテーションの準備のため3~4人のチームで話し合いをしているときも完全に地蔵モードでした
しびれを切らしたスロバキア出身のクラスメート(この方も英語力が高い)が私に向かって
「あなたはいつもニヤニヤ笑っているだけだね〜」と言われて返す言葉もありませんでした笑
それもそのはず、私のクラスメートの中での話だけかもしれませんが、英語圏以外出身の学生でもIELTSの平均点は7.5~8.0点の生徒が多かったです!
(IELTS8.0を取って留学に来たインド人の友達の英語はイギリス人と遜色ないレベルでした)
こんな人達に囲まれてあなたは勉強することになるので、正直な話最初の数カ月は苦難の連続です。(ですがそれが逆に楽しかったりもします)
なぜほとんどの日本人留学生が地蔵になってしまうのか原因を考えましたが、私は下記の能力をもっと鍛える必要があると考えるようになりました
あなたがディスカッションも成績の評価対象になる大学院に通う場合は上記の能力を鍛えましょう。
これをしないでひたすらクラスメートのマシンガントークを聴き込んでしまうと、相手の発言の情報量が多くなり言っていることが余計にわからなくなるという蟻地獄にハマってしまいます。
なるべくあなたのペースに会話を誘導しましょう。
ゆっくりでも良いのであなたの言いたいことを言えば相手は必ず聞いてくれます
(これは英語力関係なく、「自分が言いたいことは言うが相手が意見している時はしっかり聞く」という海外の文化に関係していると思います)
<ポイント>
結論▶IELTS7でもネイティブに混ざって話に入るのは難しい
入学当初は聞き手に回ることが多い
イギリス大学院の授業はどのような風景??
学部にもよりますが、文系科目の場合授業はそれほど難しいと感じません。
というのも、暗記教育ではないので授業中に覚えなくてはいけない内容は日本の大学と比べて少ないような印象を受けました。
授業で言われたことを真面目に聞くよりも、期末試験やエッセイ課題で結果が出せるかどうかにかかっています(いくら授業についていけたとしても、試験やエッセイで合格点を下回ると単位が取れないので)
どちらかと言うと、授業前に読んでおくべき論文やテキストの内容を読み込むほうが大変と感じるかもしれません。
海外の大学院の傾向としては、各自が予習して身につけた内容を先生がもう一度確認の意味で説明したり、特定のトピックについて生徒各自の意見やアイディアを発表することを重視しているイメージです。
ですので、エッセイ課題や期末試験に点数を取れる自信のある生徒は毎回講義には参加していませんでした。
私はクラスメートにタイプの女性がいたのもあり、毎回授業に参加していましたが、授業後半に実施される少人数でのディスカッションが大の苦手でした。
(講義中は特に聞き逃しもなく内容も8~9割は理解できました)
資料や内容について一部理解できないところがあっても、授業後やメールで教授に質問付ができたので特にストレスは感じませんでした。
やはり、日本人留学生の永遠の課題ではあると思いますが、ネイティブのクラスメートと真正面からディスカッションをしたり協力してプレゼンの発表をするのがとても厳しいと感じます。
<ポイント>
授業前の準備のほうが大変
授業中は丸暗記の必要はなく、意見を考える力が求められる
プレゼンならば言いたいことは言いやすい
ディスカッションとなると厳しい
ディスカッションが評価基準になる場合はもっと話せるようになる必要がある
レポート課題はどれくらい難しい?
結論から言いますと、レポート課題は相当難しいです。
大学によってレポートは学期末に1つ提出するパターンか定期的に提出するパターンに分かれますが、いずれにしても文字数が多く論理的に書かなくてはいけないのでハードルが高いです。
参考までに私が通っていた学部の1学期の学期末のエッセイ課題のボリュームは下記の通りです
1000文字程度であれば書いていて長いと「文字数が多い」と感じることはありませんが、3000文字位になると半分くらいで「もう書くことがない、、」と感じます。
文字数をクリアするだけではなく、それぞれのパラグラフとの繋がりや全体を通して理論が破綻していないかも重要になってくるので気が抜けません。
あなたの主張がめちゃくちゃにならないためのアドバイスの1つとしては
「できるだけ多くのデータや引用文を他の論文から引用して理論武装する」事をオススメします。
また下記のポイントに注意しながら、英語力やロジカル思考を駆使して締切までに書き上げる事が要求されます
①は大学院に入学してから慣れでレベルアップしていくので心配無用です
これはイギリスの高等教育機関で要求されるアカデミックな書き方のルールや表現を知っているか知っていないかの話になるので、留学後にしっかり身につけることができるからです
私も現地の高等教育機関で要求されるルールをしらないがために①学期のエッセイ課題をすべて落としただけにすぎないので、対策をとれば誰でもクリアできます
心配な方は大学中に大学が専攻科目とは別に提供してくれるアカデミックライティングのレッスンを受講してみてください。あなたのライティング力が見違えるほどアップするでしょう。
②に関しても1学期の課題で失敗したときの教授のフィードバックや課題提出前のアドバイスなどを注意して書いて行けばPass Mark(50点)を下回る事はないと思います。
エッセイ課題が40点台で終わり、単位がとれなかった場合、教授やあなたのチューター(個別指導院)に相談して再提出の対策を練って根気強く書いていけば2回めで合格することはできると思います。
期末試験はどんな感じ?
これはあなたが文系科目か理数系科目を専攻するかによりますが、期末試験も予習期間や本番で相当神経を使います。
私はマネジメント関連の文系科目専攻であったので、1学期の統計学の試験以外はすべてエッセイタイプの試験でした。
文系科目のエッセイタイプの試験の場合、授業で扱った内容について丸暗記する必要はあまりなく、下記のような出題のされ方が一般的でした
要するに、授業内容を丸暗記するのではなく、授業内容について内容を引用しながら論じる能力が求められます
答えが1つしかないタイプの解答が苦手な人にとってはある意味自由度が高くてやりやすく感じるかもしれません。
(ただし、授業で習った用語や著者を正しく引用する力は求められますが)
選択式問題や計算問題タイプの試験は日本の大学とあまりかわらない印象でした。
こういったタイプの試験対策は、基本的に日本の大学と大差はないと思います。
私が受けた統計学の期末試験は、計算問題でありましたが4択の選択式でしたので無事合格点をいただくことが出来ました!!
(これは大学入試時代のセンター試験の経験が活きた??)
試験前は何時間くらい勉強するの?
これも学科によると思いますが、試験前の時期は1日5時間以上は勉強しないと厳しい印象でした。
講義で扱ったテキストやノートを再度まとめる▶重要な用語や著者名を暗記▶問題を想定してエッセイを書いてみる
をひたすら繰り返しましたが、試験前2週間位はクラスメートと大学の図書館にこもりきりでした。
「小論文を書くのが得意」というタイプの方であれば、もっと効率的に予習できると思います!
試験の長さは❓
私の通っていた大学院の試験時間は選択式試験であれエッセイ式の試験であれ120分でした。
私は学部時代の試験時間は60分であったので、「この2時間は長いな〜」と思っていましたが本番ではあっという間に時間が過ぎてしまいます。
エッセイ式の試験でも、大問が2〜3問あったので、ゆっくり書いている時間はありませんでした。
修士論文はどれくらい難しい?
最後は修士論文についてです。これも大学によって文字数は変わりますが、どの大学であれ最低8000~10000字を書き上げるのでかなり難易度が高いです。
イギリスの大学院のカリキュラムは1年しかないので、専攻科目をこなしながら卒論のアイディアを考え、それを翌年の9月までに完成させなくてはなりません。
かなりのハードスケジュールの中書いていくので、人によってはギブアップしてしまうかもしれません
(私は授業に専念するため、2学期の3月にバイトを辞めました笑)
興味のあるテーマに関連した論文を最低20冊は読む(ただし全て紙ベースでなくても良い)卒論のテーマを考える
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そこからテーマの問題点や穴を見つける
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「特定の状況に当てはめた場合このテーマはどうなるのか?」を考える
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データの収集方法を考える(インタビュー、アンケート、実験、観察etc)
これもアカデミック・ライティング同様、あなたの専属のスーパーバイザーの話を聞き
論理的な流れになるように何度も話し合って調整していく作業が鍵となります。
卒業論文は「研究」であるので、主観的なデータやあなたの希望的観測さえ徹底的に排除できればあなたの正解物に対する評価がアップしていきます。
かかる時間は膨大ですが、合格をもらったときの達成感は格別であるので是非最後まで諦めずにチャンレンジしてください。